吸着治具とは?非磁性体ワークを固定する真空吸着治具の設計・製作事例
三次元測定機(CMM)で変形させずに固定する方法|エアー吸着×精密加工で測定精度を向上
製品概要|吸着治具とは何か?
今回ご紹介するのは、『非磁性体の固定』という課題を解決するために設計・製作した『吸着治具』です。
磁石では固定できないワークに対して、工場エアーを利用した『吸着(負圧)』によって固定する構造となっています。
特に本事例では、『三次元測定機(CMM)での測定用途』に最適化した設計となっており、
ワークを変形させずに高精度測定を実現することを目的としています。
製品仕様
吸着治具 仕様一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品名 | 吸着治具 |
| 形状 | 410 × 180 × t30 |
| 仕上 | ▽▽▽ |
| 材質 | S50C(H) |
| 表面処理 | 防錆黒染め |
| 熱処理 | 調質(HRC27程度) |
| 購入品類 | なし |
| 設計 | 渡辺精密工業株式会社 |
| 個数 | 1 |
| 当社製造番号 | 26-00709 |
課題|非磁性体ワークの固定ができない
精密測定の現場では、
・磁石が使えない(非磁性体)
・クランプすると変形する
・そのまま置くと安定しない
といった課題が頻繁に発生します。
特に三次元測定機(CMM)では、
『固定方法そのものが測定精度に直結する』
ため、非常に重要な要素となります。
解決方法|エアー吸着による固定
本治具では、
『工場エアーを利用して吸着する構造』
を採用しています。
吸着の仕組み
・細かな溝加工を施した吸着面
・内部流路でエアーを引き込む構造
・Oリングによるエアーリーク防止
これにより、
『ワークを面で均一に引き付ける』
ことが可能となり、
・変形を抑制
・安定した固定
・繰り返し再現性の確保
を同時に実現します。
測定用途でのメリット
本治具は、三次元測定機の石定盤上で使用されます。
吸着治具を使用することで、
・ワークの浮き・ズレ防止
・クランプによる変形回避
・複雑形状でも安定固定
といった効果が得られます。
結果として、
『本来の形状を維持したまま測定できる』
ため、測定精度の信頼性が大きく向上します。
設計のポイント|機能とコストの最適化
今回の設計では、
『必要十分な性能を確保しつつコストを抑える』
という点も重視しています。
・材質:S50C
・熱処理:調質(HRC27程度)
とすることで、
・耐摩耗性
・加工性
・コストバランス
を最適化しています。
また、
『頻繁な摺動がない用途』
であるため、過剰品質を避けた合理的設計としています。
オーダーメイド設計の強み
吸着治具は、
『被測定物に合わせた専用設計』
が重要です。
渡辺精密工業株式会社では、
・ワーク形状に応じた吸着面設計
・エアー流路設計
・固定力の最適化
を一貫して対応可能です。
そのため、
『既製品では対応できないワーク固定』
にも柔軟に対応できます。
まとめ|固定方法を変えると測定精度が変わる
今回の事例は、
『固定できない』という問題に対して、『吸着する』という発想で解決したケースです。
測定精度を高めるためには、単に測定機の性能だけでなく、
『ワークの固定方法』
が極めて重要になります。
FAQ(よくある質問)
Q1.吸着治具とは何ですか?
A1.エアー(負圧)を利用してワークを吸着し、固定する治具です。非磁性体や形状が複雑でクランプできない形状の固定に適しています。
Q2.三次元測定機で吸着治具を使うメリットは?
A2.ワークの変形を防ぎながら安定固定できるため、測定精度と再現性が向上します。
Q3.どのようなワークに適していますか?
A3.薄物、非磁性体、複雑形状、クランプで変形しやすい部品などに適しています。
Q4.既製品ではなくオーダーメイドが必要な理由は?
A4.吸着面や流路設計はワーク形状に依存するため、専用設計でないと十分な固定力と精度が確保できません。
Q5.エアー漏れ対策はどのようにしていますか?
A5.Oリングやシール構造を設けることでエアーリークを防止し、安定した吸着力を確保しています。
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<金型>
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<その他加工>
測定器、専用機、試験機、三次元加工、小穴加工、超硬加工、セラミクス加工、ガラス加工、樹脂加工、鏡面加工、ラップ加工、ラッピング加工、クラウニング加工、特殊プロファイル加工、面粗度加工、ドリル折損除去、試作部品、試験片、引張試験片、ねじり試験片、熱処理試験片、腐食試験片、メッキ試験片、圧縮試験片、校正用マスター、校正基準器、校正器具、点検具、等
<設計>
ゲージ設計、測定治具設計、総型ゲージ設計、総合ゲージ設計、測定ゲージ設計、検査治具設計、機械加工治具設計 、省力化・自動化治具設計
<システム開発>
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